倉谷温泉跡でちょっと背筋が凍る思いをした後は、その流れで別の温泉旅館跡、S谷温泉跡に向かいます。
狭い舗装道路を進んでいきますと、山間部の小さな集落が見えてきます。
この奥は車での通過が難しいくらいの狭い道なので、ここらで車を止めて、歩いて進みます。
30軒ほどの集落を抜けると田園エリアに。
道端には、アザミ、マンリョウ、ナンテン、クサギ、フユイチゴなどなどが。
「なんだっけこれ?」「匂いするかな?」と言いつつ観察していると、地元のおじさんに声を掛けられました。
「温泉は、この先の川に湧いているよー」とのこと。
進んでいくと小川に橋が架けられています。
川沿いにある東屋風休憩所の真下の川に、足場のように置かれた大きな石がありますよね。
ここに湧き出ていました。
白い湯の花を作る、たまご臭のする冷鉱泉が、川べりの壁から出た塩ビパイプから垂れ流されています。
嬉々として配管から冷鉱泉を汲んでいると、先程のおじさんが来られて「これ持ってけ」と、すっごく大きな椎茸を戴いちゃいました。
おじさんのお話では、さっき通ってきた集落に温泉宿があって、この冷鉱泉をそこまで引いて利用していたそうです。
もっと昔には、この湧出場所のすぐ横に湯船があり、村の人たちは入浴していたとのこと。
興味深い温泉の話を聞いている横で、食い意地のはったキノコ好きのツレは、戴いた大きな椎茸にウットリ・・・
それを見たおじさんが「それならキクイモも持って帰れ」と。
おじさんの畑に植えているキクイモを、わざわざ掘り起こして、袋いっぱい戴きました。
おじさん、ありがとうございました。
おすすめの素揚げにして食べましたが、ねっとり甘くって大変うまかったです!