細い細い道沿いに渋めなバス停が見えてきます。
お堂 兼 バス停らしく、素朴な扁額には「薬師堂」とあります。
もちろん、お堂内には薬師如来さまが御座します。
薬師如来さまと温冷泉は、テッパンの組み合わせ。
その通りでして、道路を挟んだ川沿いにF山冷泉があるのです。
道路からは屋根しか見えず、看板もありませんので、知らないと通り過ぎるかな。
コンクリート枡から配管が伸びて手水鉢のような石桶に冷鉱泉が流れ出しています。
それほど湧出量は多くなさそう。
飲んでみますと、口腔と鼻腔に硫化水素臭が広がりますが、それ以外は特段味のしない冷鉱泉。
コンクリート枡は、ちょうど人ひとりが入れるくらいの浴槽サイズです。
しかしコンクリート枡から、黒い配管が川向かいのお家に伸びており、そちらのお家でこの冷鉱泉が使われているみたい。
ということで、入浴は諦めました。
コンクリート枡の道路側の石壁に穴が開いており、ここが源泉湧出場所。
中には白い湯の花が見えました。
山村のノスタルジックな雰囲気と相まって、なんだかホッコリする冷鉱泉でした。