ツレの実家の墓参りも兼ねて、お風呂巡り。
まだ日が高いうちに、野湯系をやっつけましゅ。
2011年の東日本大震災、その影響は温泉業界にも波紋をひろげました。
各地の温泉施設で、温泉が出なくなった、湯温が下がったなど、営業に直結する影響がありましたが、逆に温泉が湧出したことで悪影響を及ぼす例も。
ここ福島県いわき市でも、悪影響を及ぼした温泉が、当時大きく報道されました。
元々、いわき市は炭鉱の町でして、日本屈指の常磐炭鉱で潤っていた町。
今では、エネルギー革命により、全ての炭鉱が閉鎖されていますが、炭鉱の爪痕は至る所にあるわけです。
その一つ、泉町の炭鉱竪坑跡から、震災後に大量の温泉が湧き出しました。
周辺には住宅街が広がっており、温泉の臭いで周辺住民から大苦情があったそう。
こんな感じ↓
その後どうなっているのか、炭鉱竪穴を見に行ってみることに。
竪坑周辺からは未だに湯気がモクモク上がっているのが見えますが、臭いはなし。
柵で覆われて立ち入り禁止となっており、近寄ることができませんでした。
もう一つ、震災直後に話題になったのが、ここ。
こちらもフツーの住宅街。
進んでいきますと、6部屋の小さなアパートが。
今でも住まわれています。
このアパートの足元、高さ1メートルほどの擁壁の至る所に配管がニョキニョキしています。
ここ、震災後にアパートの擁壁から大量の温泉が湧出したそうで、その後、側溝に温泉を捨てるために、配管を取り付けたとのこと。
周辺の建物からは湧出しておらず、なぜかここのアパートの土地だけ、温泉が湧き出しています。
たまたま温泉の道となる断層が、このアパートの下にあったんでしょうね。
温泉の出具合は配管ごとで異なりますが、震災からだいぶ経つのに、かなりの湧出量。
配管だけではなく、擁壁の隙間からも、30℃ほどの薄鉄味の温泉が漏れ出ています。
大家さんのことを考えると、なかなか嬉々として楽しめない温泉でした。
ついでに今夜のお宿、いわき市の玉山温泉 石屋旅館さんも紹介。
玉山温泉には、石屋旅館、藤屋旅館、玉屋旅館と、3軒のお宿があります。
石屋旅館さんは、女将さん一人で切り盛りされており、客室はたくさんあるのですが、1日2組限定で営業されています。
主屋は、昭和初期に女将さんの義祖父が趣味として建てたそうで、宮大工さんに頼んで数寄屋造りにしてもらったそうです。
各所に趣味の良い意匠が施されています。
口コミではご飯も美味しいと。
華やかさはありませんが、女将さんの心こもった手作りで、ホッとするおいしさ。
女将さんはお話好きの気さくな方で、部屋の雰囲気といい、田舎の親戚のおばちゃん家に来てるような錯覚がwww
温泉は、3軒で同じ源泉を利用しているそうで、ポンプアップされた冷鉱泉を加温循環しています。
アル単の強ヌルヌルでして、加えて泡付きもあるので、湯船内での肌触りがとっても気持ちいいんです。
あまりのヌルヌル具合のため、洗い場の床も超絶ヌルヌルで、かなり危険なレベル。
はい見事に転倒しましたよwww
女将さん曰く、玉山温泉の3軒とも跡取りがおらず、今の代で営業を辞めることになるのではとのこと。
多分、あと10年くらいなんじゃないかな。
この超絶ヌルッヌル鉱泉を味わいたいなら、お早めに。