ツレは、野湯に対してほとんど興味がない。
なので野湯に行くときは、バーターとしてウマいものを食わさないといけないわけでして。
ということで、今回は男鹿半島の観光名所、入道崎にあるレストラン「海陽」でランチです。
秋田といえば、ハタハタ。
秋田県の県魚にもなっている、美味しい魚。
ja.wikipedia.org
そのハタハタを満喫できるハタハタ丼セットと日帰りランチを注文。
美味なことはもちろん、ボリュームもあって、ツレも満足そう。
(これで何箇所か野湯に立ち寄れるはず・・・フッフッフッ)
腹いっぱいになったので、無料温泉に。
向かったのは、男鹿半島で一番有名な野湯、金ヶ崎温泉。
大正時代に湯小屋があり、陸路では難しい絶壁の下にあるため、当時は主に船を使ってアクセスしていたとのこと。
その後、管理人もいなくなり、徐々に自然に戻りつつあるけど、未だお湯は湧き出しているので、やってきました。
車5-6台くらい停められる広場から、杣道を進んでいきます。
ちょうど山菜取りから帰ってこられた老夫婦がおられたので、金ヶ崎温泉について話を聞きますと、「かなりキケンなところ通るよ」「登山靴履いてきた?」「軍手もいるよ」と。
こちらも事前学習していたので、装備は万全。
金ヶ崎温泉には50年くらい前に行かれたことがあるそうで、当時は大きな露天風呂にかなり熱めのお湯が満たされていたそうです。
「とりあえず、気をつけて行っておいで」と念押しされました。
5分ほど木々の中を歩いて行きますと、開けた場所に。
地図を照らし合わせると、金ヶ崎温泉が遥か下にある海岸線沿いに見えます(矢印)。
目の前全てがオーシャンビュー、快適な海風を感じながら爽快に進んでいきます。
岬の先まで来たところに、難所が見えてきました。
ここから30mほどの絶壁を、ロープを使って降りていかないとダメ。
最初のうちは、傾斜45度くらいなのですが、足場が土なので滑りやすい。
しかも、だんだんと傾斜がキツくなり、一番絶壁のところは70度くらいはありそう。
岩場なので、誤って落っこちたら死にます、確実に。
なんとか無事に海岸まで降りてこられました。
海岸にはゴロタ石が多く、なかなか歩きづらい。
スタート地点から30分ほど、石積みの人工物が見えてきました。
ここが、先の老夫婦が50年前に入ったという露天風呂ぽい。
四角い石積みの中に、茶色の円形湯船があり、その中で未だに湧いている金ヶ崎温泉。
円形湯船の底に穴が開いており、そこからポッコンポッコンと泡が上がってきます。
しかし、ほとんどお湯が湧いているようには見えません。
排湯もされていないし。
手を漬けるとかなりヌルく、実測30.6℃。
時期的に湧き出るお湯の量が少ないのか?
しかも、なんか臭い。
魚系の生臭さが・・・
湯面をよく見ると、魚の鱗ぽいのが浮いている・・・
もしかして、時化の時に魚が入り込んで、そのままお亡くなりになって、換水率が悪いため魚肉片の一部が残っているのか?
うーん、来たからには入らないとなぁ・・・
とりあえず鱗っぽいのを掬って取り除いて入浴。
フワッと魚臭がするし、さらにお尻の穴を舐めるように泡が当たり、何か気持ち悪い…
石積みの周囲からは、数カ所で温泉が湧き出しており、湯温が高いところで48.6℃。
円形湯船へ湧くはずの湯が、周囲に漏れてきているのかも。
金ヶ崎温泉は、湯温も低く、換水率も悪そうなので、もう満足できる入浴は難しいのかな。